こんにちは、花贈りのコンシェルジュ・朝霧薫です。このブログ「Blooming Note」では、花ギフトにまつわる選び方のコツやマナーをお届けしています。

お客様から「胡蝶蘭を贈りたいけれど、何を選べばいいかわからない」「立て札の書き方がわからなくて恥をかきそう」という声をよくいただきます。そのお気持ち、とてもよくわかります。胡蝶蘭はビジネスの場でよく見かける花だからこそ、「当たり前のように知っているべき」という空気があって、なかなか人に聞けないんですよね。

この記事では、花贈りのプロとして長年多くの贈り物に携わってきた私が、胡蝶蘭ギフトで「センスがいい」「気遣いができる人だ」と思ってもらえる贈り方のすべてをお伝えします。読み終えるころには、自信を持って胡蝶蘭を選び、届けられるようになっているはずです。

そもそも、なぜ胡蝶蘭がお祝いの定番なのか

お祝いの場に胡蝶蘭が並んでいる光景は見慣れたものですが、なぜこれほど定番として定着したのでしょうか。その理由を理解しておくと、贈り方の判断がずっとスムーズになります。

「幸福が飛んでくる」という縁起のよい花言葉

胡蝶蘭の花言葉は「幸福が飛んでくる」。蝶が飛び交うような姿の花が、幸せをもたらしてくれるというイメージから生まれたとされています。新たな門出や事業の発展を願う贈り物として、これ以上ないほどぴったりな言葉です。また鉢植えであることから「根付く」という連想も働き、商売繁盛や事業の安定を祈る意味合いも持っています。

花持ちがよく、手間がかからない

開店祝いや就任祝いの場に届く花は、受け取った方が長く楽しめるものほど喜ばれます。胡蝶蘭の開花期間は通常1〜2ヶ月ほど。水やりも植え込み材が乾いてからでいいため、週に1〜2回程度で十分です。忙しいオフィスや店舗でも管理しやすく、もらった方に余計な負担をかけないのが大きな魅力です。

花粉・香りが少ないため場所を選ばない

病院、飲食店、エントランス——胡蝶蘭はあらゆる空間に馴染みます。花粉が飛び散らないため服を汚す心配がなく、香りもほとんどないので医療現場や飲食店への贈り物としても安心です。

格式が高く、贈り物として「絵になる」

純白の大輪が連なる姿には独特の品格があります。受け取った側がお客様や来訪者にさりげなく”誇示”できるという側面もあり、特にビジネスシーンでは贈られた方のステータスを演出する役割も担っています。

知っておきたい「本立て・輪数・サイズ」の選び方

胡蝶蘭を選ぶ際に最初に迷うのが、本立て・輪数・サイズの違いです。ここを押さえると、予算と場面に合った一鉢がグッと選びやすくなります。

本立ての目安

本立て目安の用途
3本立てビジネスシーンの標準的なお祝い全般、開店・開業祝い、昇進祝い
5本立て重要な取引先、社長就任、大規模な開業・上場祝いなど特別な場面
7本立て以上最高級の贈り物として特別なお祝いや大型式典向け

「割れない数」である奇数が縁起がよいとされており、3本立てと5本立てが圧倒的に多く選ばれています。ただし近年は偶数立てを取り扱う店舗も増えていますので、あまり気にしすぎなくて大丈夫です。

輪数の見方

輪数とは、1株についている花の総数のこと。同じ3本立てでも30輪のものと42輪以上のものでは、見た目のボリューム感がかなり違います。重要なお祝いには輪数の多いものを選ぶと、受け取った方がほかの胡蝶蘭と並んだときに見劣りしません。

サイズの選び方(大輪・中輪・ミディ)

  • 大輪:花が大きく豪華で存在感抜群。ビジネスシーンの贈り物に最適
  • 中輪:上品さと豪華さのバランスがよく、幅広い場面に対応できる
  • ミディ(小輪):コンパクトで置き場所を取らない。個人宅への贈り物や設置スペースが限られる場合に

色と花言葉でセンスを見せる

胡蝶蘭の色は見た目だけでなく、それぞれ異なる花言葉や意味を持っています。シーンに合わせた色選びができると、贈り物の印象がぐっと引き締まります。

色別の意味とおすすめシーン

花の色花言葉・イメージおすすめシーン
清純・純潔ビジネス全般、開業・開店、就任、供花
ピンクあなたを愛します母の日、誕生日、結婚記念日、女性への贈り物
白赤リップ紅白で縁起よし当選祝い、開業・開店、出産祝い
黄色金運・商売繁盛開業・開店、新築祝い
尊敬・誠実目上の方への贈り物、希少性を活かした特別なギフト
高貴・尊敬格式を重んじる場面、目上の方へ

フラワースミスギフトの色別ガイドによると、白は慶事・弔事ともに使え最も汎用性が高い色。ビジネスシーンで迷ったときは白を選べばまず間違いありません。

ビジネス向けに贈る胡蝶蘭をお探しの方は、フラワースミスギフトの予算1万5千円〜2万円の胡蝶蘭一覧から、シーンに合った一鉢を見つけてみてください。色・サイズ・本立てのバリエーションが豊富に揃っています。

シーン別・予算の目安

贈る相手や関係性によって、適切な予算は変わります。「安すぎて失礼」にも「高すぎてお返しに困らせる」にもならないよう、相場感を把握しておきましょう。

ビジネスシーンの相場

  • 一般的な取引先への開業・開店祝い:10,000〜30,000円程度
  • 重要な取引先、大企業、社長就任などの特別なお祝い:30,000〜100,000円程度
  • 上場祝いや周年記念など特に大規模なもの:100,000円以上になるケースも

お祝いの品が多く届く場面では、ほかの贈り物と並べられたときに見劣りしないよう、ワンランク上のものを選ぶ意識が大切です。

個人間・プライベートの相場

  • 友人・知人への開業・新築・誕生日など:10,000〜30,000円程度
  • 家族・近しい方へのお祝い:5,000〜15,000円程度
  • お中元・お歳暮など季節の贈り物:10,000円前後のミディ・中輪がおすすめ

個人間の贈り物は、相手がお返しに困らないよう関係性に見合った金額を心がけましょう。

立て札のマナー——ここで差がつく!

胡蝶蘭をビジネスシーンで贈るとき、必ず必要になるのが「立て札(たてふだ)」です。開業祝いや就任祝いの会場には多くの胡蝶蘭が届きますが、誰から贈られたものかを一目でわかるようにするのが立て札の役割。いわば「贈り主の顔」です。

木札と紙札の使い分け

  • 木札:高級感があり、重要なビジネスシーンや格式を重んじる場面に。追加費用がかかることもある
  • 木目調立札:木札の代用として広く普及。処分も簡単で、現在はこちらが一般的
  • 紙札:カジュアルな贈り物向け。無料で付けてくれる店が多い

ビジネスシーンでは木目調立札または木札を選ぶのが基本です。

立て札の書き方

立て札には次の3つを記載します。

  • 頭書き(冠文字):「御祝」「祝開業」「祝御就任」など、赤文字で書く
  • 贈り先(省略可):「株式会社○○ 様」など
  • 贈り主:会社名・役職・氏名をフルネームで

「御祝」という頭書きは用途を選ばず使えるため、迷ったら「御祝」にしておくのがもっとも無難です。また「祝御○○」は丁寧な表現ですが、4文字で割り切れるため「祝○○」の3文字が好まれる傾向があります。

よく使われる頭書きの例

  • 開業・開店:祝開業 / 祝御開店 / 御開業御祝
  • 就任:祝御就任 / 就任御祝
  • 昇進・昇格:御昇進御祝 / 祝御昇格
  • 移転:祝御移転 / 移転御祝
  • 上場:祝上場 / 御上場御祝

立て札で絶対に注意すべきこと

  • 会社名の誤字・脱字(株式会社の位置、前株か後株かを必ず確認)
  • 人名の漢字の間違い(「高」「崎」「辺」など旧字・異字体に注意)
  • 役職の誤表記(代表取締役なのか代表取締役社長なのかを確認)

贈り先の名前や会社名を間違えることは大変失礼にあたります。注文前に公式サイトなどで正式表記を必ず確認しましょう。

贈るタイミングのマナー

いくら素晴らしい胡蝶蘭を選んでも、届けるタイミングを間違えると台無しになります。シーン別の適切なタイミングを確認しておきましょう。

シーン別・理想の配達タイミング

  • 開業・開店祝い:オープン前日〜当日午前中着が理想。当日は先方が多忙なため、前日のうちに届けておくのが最善
  • 移転祝い:新住所での業務開始日当日〜翌日。業務開始前日着でも可だが、先方に確認を
  • 就任・昇進祝い:辞令発表後1週間以内。仏滅を避けるのが一般的とされている
  • 退職祝い(社内):送別会当日、または出勤最終日に。有給で出社しない可能性があるため事前確認を

贈る前に確認すべきこと

  • 設置スペースの有無(特に大輪・5本立て以上の場合)
  • 受け取り可能な時間帯・担当者
  • 病院など生花の持ち込みが制限されている場合は、事前に確認が必須

やってしまいがちなNGマナー5選

長年花贈りの現場に関わってきた私が、実際によく見かけるマナー違反をまとめました。

  • 赤一色のラッピングで贈ってしまう(「火事」「赤字」を連想させるためNG)
  • 立て札の会社名・人名を調べずに書いてしまう
  • 開業当日の夕方に届けてしまう(先方が片付けで手一杯)
  • 大輪の胡蝶蘭を、スペースの確認なしに個人宅や狭い事務所に送る
  • 法人から選挙候補者への胡蝶蘭(陣中見舞い・当選祝い)を贈ってしまう(公職選挙法に抵触する恐れあり)

最後の点は見落としがちですが、企業・法人・団体からの選挙関連の胡蝶蘭は「寄付」とみなされる場合があります。個人からの贈り物は問題ありませんが、法人としての贈り物には注意が必要です。

胡蝶蘭のお手入れ情報も添えると喜ばれる

胡蝶蘭は比較的手がかからない花ですが、受け取った方が長く楽しめるよう、簡単なお手入れ情報をメッセージカードに添えるのもひとつの気遣いです。

基本のお手入れポイント

  • 置き場所:直射日光の当たらない明るい室内。空調の風が直接当たる場所はNG
  • 水やり:植え込み材(コケや水苔など)が完全に乾いたら根元にたっぷりと。目安は10日〜2週間に1回程度
  • 室温:10℃以上の室内管理が基本。急激な温度変化は避ける
  • 花が終わったら:株を大切に育てれば、翌年以降も再び開花する可能性がある

「花が終わっても育て続けると、また咲いてくれることがあります」という一言を添えると、受け取った方にとても喜ばれます。

まとめ

胡蝶蘭ギフトは、選び方・届け方・立て札の書き方のちょっとした差で、受け取った方への印象が大きく変わります。今回お伝えしたポイントをあらためて振り返っておきましょう。

  • 胡蝶蘭が定番な理由は、縁起のよい花言葉・花持ちのよさ・花粉・香りの少なさ・格式の高さにある
  • 本立て・輪数・サイズは相手との関係性と設置環境に合わせて選ぶ
  • 色は白が最も汎用性が高く、シーンによってピンク・赤リップ・黄色なども使い分けると印象的
  • 立て札はビジネスシーンでは必須。頭書き・会社名・氏名の正確な記載が最重要
  • 贈るタイミングは「前日〜当日午前中着」が基本

花を贈ることは、相手への敬意と祝福の気持ちを形にすること。マナーを守りながら、あなたらしい想いを胡蝶蘭に込めて届けてください。